Wild World

Words & Music by Cat Stevens.
(1971年発表)*1

From Cat Stevens album, "Tea For The Tillerman".
名作アルバム度 ☆☆☆☆

「父と子」 (キャット・スティーブンス



歌詞は、次のURLから
http://www.patleck.com/lyrics/catstevens/teaforthetillerman.htm#3


名曲度 ☆☆☆☆☆




邦題 「ワイルド・ワールド」 (キャット・スティーブンス







Now that I've lost everything to you
もうぼくはすっかり降参だな
You say you wanna start something new
きみは何か新しいことをはじめたいと言うんだね
And it's breakin' my heart you're leavin'
それがぼくの心を引き裂くんだ
きみが出て行ってしまうなんて
Baby, I'm grievin'
ベイビー、ぼくは悲嘆にくれてる
But if you wanna leave, take good care
でも、行きたいっていうなら、
よく気をつけるんだよ
I hope you have a lot of nice things to wear
いつもちゃんとしたカッコをしててくれよ
But then a lot of nice things turn bad out there
でも、
いろんないいことがひどいことになってしまう
そんな世の中だからな





Oh, baby, baby, it's a wild world
おゝ、ベイビー、ベイビー、
恐しい世の中なんだよ
It's hard to get by just upon a smile
ただ笑顔だけでやっていくのは難しいことなんだぜ
Oh, baby, baby, it's a wild world
おゝ、ベイビー、ベイビー、こわい世の中なんだよ
I'll always remember you like a child, girl
ぼくはいつでも
子供のまんまのきみを思い出すだろうなあ、ガール




You know I've seen a lot of what the world can do
世間がどんなものか
ぼくがいろんなことを見てきているのを
きみは知ってるだろう
And it's breakin' my heart in two
だから、ぼくの心は真っ二つに引き裂かれてしまうのさ
Because I never wanna see you a sad girl
だって、きみが悲しい女の子になるのなんか
ぼくは絶対に見たくないからね
Don't be a bad girl
悪い子にならないでくれよ
But if you wanna leave, take good care
でも、きみが行きたいというなら、
よく気をつけてくれよ
I hope you make a lot of nice friends out there
いい友達をたくさん作ってくれること願ってるよ
But just remember there's a lot of bad and beware
だけど、憶えておくんだよ、
悪いヤツらがたくさんいるから、用心するんだよ



Oh, baby, baby, it's a wild world
おゝ、ベイビー、ベイビー、
恐しい世の中なんだよ
It's hard to get by just upon a smile
ただ笑顔だけでやっていくのは大変なことなんだよ
Oh, baby, baby, it's a wild world
おゝ、ベイビー、ベイビー、こわい世の中なんだよ
I'll always remember you like a child, girl
ぼくはいつでも
子供のまんまのきみを思い出すだろうなあ、ガール





Baby, I love you
ベイビー、おまえを愛しているよ
But if you wanna leave, take good care
だけど、出て行くというなら、
よく気をつけるんだよ
I hope you make a lot of nice friends out there
おまえがいい友達をたくさん作ってくれることを願ってるよ
But just remember there's a lot of bad and beware
だけど、とにかくよく憶えておいてくれ、
悪いヤツらがたくさんいるんだということを
だから、用心してくれよ




Oh, baby, baby, it's a wild world
おゝ、ベイビー、ベイビー、
恐しい世の中なんだよ
It's hard to get by just upon a smile
ただ笑顔だけでやっていくのは大変なことなんだよ
Oh, baby, baby, it's a wild world
おゝ、ベイビー、ベイビー、ひどい世の中なんだよ
I'll always remember you like a child, girl
ぼくはいつでも
子供のまんまのきみを思い出すだろうなあ、ガール





Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞






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しかし、この「少女」はもはや相当にしたたかになっているのかもしれない。
そういう視点はこの歌の語り手(歌い手)にはない。
いずれにせよ、少女は、これからいくつもの「初めてのこと」が流星群のようにふりかかってくる中を逐一ハートとアタマを使って自分で舵取りしながら宇宙への旅に出るのだが、すべてうまくやれるわけでは絶対にない。まず全勝街道などはありえないのだし、その都度、その都度、落ち込んだり、傷ついたり、うまくいってるときには何も感じず、力を増幅したり、削がれたり、そのうち集中力を拡散させてつまらないところに転がり込んだり・・・って、パチンコ玉ではないわいな。

憂歌団の歌にもありましたなァ、♪ パチンコォ、パチンコォーッ! ってのが。)


確かにほとんどの国で近代化の過程における都市化(ならびにそれによって引き起こされるひとつの必然としての民主化)によって結婚というものの雑婚性が強まり(少なくとも地縁性は大いに薄れただろう)、それがその国の社会や文化を確実に変えてはきたのだろう。結婚において並存する開放系と閉鎖性の均衡が崩れ(つまり、開くことで閉じるという親族的な意味での結婚の)、その開放系が従来の実質を伴うことのなくなった閉鎖系を凌駕したと言えようか。
人類の歴史にはトランプのカードを切る(シャッフルする)ような大きな出来事がいくつかある。そこからゲームがまた違ったものになっていくのだ。麻雀でいう場?のように。
本来、国家とか社会とか文化というものはその本性として閉鎖系であるものだが、時代の進行につれて、世界はどんどん閉鎖系の維持(そのためのイデオロギー)が困難になり、開放系へと大いなる地滑りの連鎖を体験していく。そんな世界に適合できるのは、もはや国家でも社会でもなく(また、そのイデオロギーでもなく)、資本と情報、そして労働なのだ。


Oh, baby, baby, it's a wild world
おゝ、ベイビー、ベイビー、
これはすっごーい世の中なんだよ




マキシ・プリーストとかミスター・ビッグとか、他にもこの「ワイルド・ワールド」はよくカバーされている名曲だ。

*1:これもまた1971年の作品だ。それにしても1971年という年は、ロックにとって類稀なる豊作の年だったのだと思い知る日々。