I'm A Boy
Words & Music by Pete Townshend.
(1966年発表)
(原題直訳 「ぼくは男の子だい」)
Performed by The Who.
You can listen to their compilation album, "The Ultimate Collection".
推奨アルバム度 ☆☆☆☆☆
「アルティメイト・コレクション」 (フー)
歌詞は、次のURLから
http://www.oldielyrics.com/lyrics/the_who/im_a_boy.html
名曲度 ☆☆☆
邦題 「アイム・ア・ボーイ」(フー)
One girl was called Jean Marie
一番上がジェーン・マリー
Another little girl was Felicity
次が可愛いフェリシティ
Another little girl was Sally Joy
もうひとり小さなサリー・ジョイ
The other was me, and I'm a boy !
あとのひとりがボクだけど、
ボクは男の子だよ
My name is Bill, and I'm a head case
ボクの名前はビル、
ぼくだけ毛色が違うんだ
They practice making up on my face
あいつらボクの顔をメイクの練習台にしやがって
Yeah, I feel lucky if I get trousers to wear
そうなんだよ、
ズボンなんか穿かせてもらえた日には
ボク、ラッキーって気分
They made me taking hairpins from my hair
あいつらのおかげでヘアピン外すのが大変なんだ
I'm a boy, I'm a boy
ボクは男の子だよ、ぼくは少年さ
But my ma won't admit it
なのにママは認めてくれない
I'm a boy, I'm a boy
ぼくは男の子だよ、
ぼくは少年なんだ
But if I say I am, I get it
でも、もし、ボクがそんなこと言ったら
お目玉食らうよ
Put your frock on, Jean Marie
スモック着るのよ、ジェーン・マリー、
Plait your hair, Felicity
髪を編んでね、フェリシティ
Paint your nails, little Sally Joy
爪を塗るのよ、おチビのサリージョイ
Put this wig on, little boy
このカツラ、可愛い坊やにかぶせてあげて
I'm a boy, I'm a boy
ボクは男の子だよ、ぼくは少年さ
But my ma won't admit it
なのにママは認めてくれない
I'm a boy, I'm a boy
ぼくは男の子だよ、
ぼくは少年なんだ
But if I say I am, I get it
でも、もし、ボクがそんなこと言ったら
お目玉食らうよ
oooooh.......wah......ah.....
ううううッ・・・
うぐぐぐッ・・・
あがががッ・・・
I Wanna play cricket on the green
ボクだって芝生の上でクリケットやりたいよ
Ride my bike across the street
自転車に乗って通りに出たいさ
Cut myself and see my blood
自分のこと切って血が出るのを見てみたい
I Wanna come home all covered in mud
ボクだって全身泥だらけになって外から帰って来たいよ
I'm a boy, I'm a boy
ボクは男の子だよ、ぼくは少年さ
But my ma won't admit it
なのにママは認めてくれない
I'm a boy, I'm a boy
ぼくは男の子だよ、
ぼくは少年なんだ
But if I say I am, I get it
でも、もし、ボクがそんなこと言ったら
お目玉食らうよ
Transulated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞
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歌よりも間奏のハイトーンのコーラスとインストゥルメンタルの激しさがこの歌のすべてを物語っている。
それは、さながら「喋り方で喋る」という言葉以前の情動(のストレートな表現)というべきものだが、
この「言葉以前の情動」(のストレートな表現)こそが、
ぼくたちが「ロック」(!)と呼んでいるものではないだろうか。
(そう、実は歌詞など二の次、三の次、六の前ぐらいでいいのであるの詩の語のU)
Yeah,Rock’n’Roll!
ただ、この歌にはもうひとつ仕掛けがあって、
たとえば、
フェリシティとか、ジェーン=マリーとか、サリー=ジョイ
なんていう気取った名前。
男の子の名前もビル、つまりウィリアムだ。
そして「クリケット」もこの歌のキーワードだろう。
つまり、この歌は、
先日、紹介したキンクスの「ウェル・リスペクテッド・マン」同様、
当時のイギリスのミドルクラスを揶揄している歌でもある。
また、例えば「性同一性障害」というキーワードをこの歌に充ててみると、
はたして、この歌の主人公が本当に男の子かどうかは、にわかには判断しがたくなってしまう。自分が男の子だと言い張る女の子の歌。ということにもなるだろう。
それにしても、こんな歌がヒットして連日のようにラジオでかかる社会というのもかなりのものである。
もちろん、当時のイギリスはまだいまほどロックをかける番組はなかったりしたのだが、
(それは当時のイギリスがほとんど社会主義福祉国で(政府も政体も違ったが国家がそうだった)、そのため組合の力も強く、一日のラジオでの音楽放送時間の内、レコード使用の放送時間にも制限があった。つまり放送には主として音楽労働者を起用しなければならず、そうした音楽労働者にはまだ若造のポップ・ミュージシャンは大幅には割り込めていなかった。などなど、いろいろ事情がございましたのでした)
そのため公海上から電波を流す俗に言う「海賊放送」のラジオ・キャロラインなどが若い世代に人気を博し、のちにBBCの改革再編の際にそうした海賊放送の人気DJが何人もBBCのラジオ・ワン入りしたのだった。
(そんなひとりのジョン・ピールが先日亡くなったのをタワーレコードの雑誌売場にあったナントカいう雑誌の表紙の彼の写真と見出しで知った。)
そのへんの話はまたいずれ折に触れて。そういう歌もあるからね。
この時期のフーのシングル盤、
たとえば「マイ・ジェネレーション」「エニーウェイ、エニーハウ、エニイウェア」「ハッピー・ジャック」などの間奏部分の限られた小節数という短時間内にどんどん拡大しながらフォームを逸していくような激しい演奏は、曲の目玉でもあり、またステージでもハイライトというべき瞬間を現前、現出させていたようだが、それはデビュー曲「キャント・エクスプレイン」のあまりにも歌の内容とはかけ離れた整然とした間奏部分への反省によるものと思われる(という持説)。
・「アイ・キャント・エクスプレイン」
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050131
・「ウェル・リスペクテッド・マン」
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050222