I Can't Explain

Words & Music by Pete Townshend.
(1965年発表)



(原題直訳 「ぼくには説明できないよ」)



Performed by The Who.

You can listen to The Who album, "Then And Now 1964-2004".
推奨アルバム度 ☆☆☆☆☆

「ゼン・アンド・ナウ 1964-2004」 (フー)




歌詞は、次のURLから
http://www.123lyrics.net/w/the-who/i-cant-explain.html



名曲度 ☆☆




邦題 「アイ・キャント・エクスプレイン」 (フー)






Got a feeling inside (Can't explain)
心の中で感じるんだ
(説明できねえ)
It's a certain kind (Can't explain)
ハッキリはしているんだよ
(説明できねえよ)
I feel hot and cold (Can't explain)
熱くなったり冷たくなったりするのがわかるんだ
(説明できねえ)
Yeah, down in my soul, yeah (Can't explain)
そう、魂の奥の方なんだよ、うん
(説明できねえよ)
I said ... (Can't explain)
ホント・・・(説明できねえ)
I'm feeling good now, yeah, but (Can't explain)
気分はいいんだ、いまはね、でも
(説明できねえ)




Dizzy in the head and I'm feeling blue
頭の中がクラクラしてきて、欝な感じ
The things you've said, well, maybe they're true
きみが言ったことが、そうだよなあ、
たぶん正しいんだと思うんだ
I'm gettin' funny dreams again and again
おれ、ヘンな夢ばっかり見るんだよ、
繰り返し、繰り返しね
I know what it means, but
それがどういうことなのかはわかってんだ、でも




Can't explain
説明できないんだよ
I think it's love
恋なんだと思うんだ
Try to say it to you
それをきみに言おうとするんだ
When I feel blue
弱気になったりしたときにはね




But I can't explain (Can't explain)
だけど、おれ、説明できなくてさ
(説明できねえ)
Yeah, hear what I'm saying, girl (Can't explain)
そうさ、おれの言いたいこと聞いてくれよ、なあ、
(説明できねえんだ)




Dizzy in the head and I'm feeling bad
頭の中がクラクラしてきて、気分が悪いよ
The things you've said have got me real mad
きみが言ったことが、メチャ、ムカつくんだ
I'm gettin' funny dreams again and again
ヘンな夢ばっかり見るんだよ、何度も何度も
I know what it means but
それが何なのかはわかってるんだ、だけど




Can't explain
説明できないんだ
I think it's love
恋だと思うんだ
Try to say it to you
それをきみに言おうとしてるんだ
When I feel blue
弱気になったりしたときにはね




But I can't explain (Can't explain)
だけど、おれ、説明できなくってさ
(説明できない)
Forgive me one more time, now (Can't explain)
ごめん、もう一回、許してくれ
(説明できねえよ)




I said I can't explain, yeah
そう、説明できないんだよ、あゝ
You drive me out of my mind
おまえのおかげで気がヘンになってくるぜえ
Yeah, I'm the worrying kind, babe
そう、おれって気に病むたちだからな、
I said I can't explain
そう、おれには説明できないよ





Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞




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The Whoのデビュー・シングル。
The Whoとは、「誰」ってことだが疑問詞の「誰?」というより、〜であるところの誰某、〜している誰某という関係代名詞とか関係副詞のwhoと考えたほうが面白いだろう。
それに「The」がついているのだから、なかなか大胆不敵なかなり図々しいグループ名である。


ところで、これはすごい名曲だと思っている。
「説明できない」という、そのことを下手なブンガク的修辞を排して、まんま「説明できねえ」と歌った貴重な曲。
説明はできないけれども、「それ」自体はそこにある。歌の主人公の内面にだ。
そして既に(1965年発表の歌だが)思春期の少年の神経症的な兆候もきちんととらえられている。
説明できない所以である。
そして、そこんところは、演奏で、、、、、(というふうになってるか、というと実はプロデューサーが大人だったので、間奏のインストゥルメンタルのパートも見事に手際よく「説明」されてしまっている気味があって残念だ。
とはいえ、その間奏部分ではキース・ムーンのドラミングがほとんどリード・ドラムという按配でこの歌の作者でもあるピートのリズム・ギターにのっかって力のほどを叩き出していて、それゆえにユニークなサウンドを作り出してはいるが、やはりコンパクトにまとまりすぎで、どうしても物足りなさは否めない。
そういうことは本人たちがいちばん強く感じているはずで、この失敗が活かされたのかのように、以後のフーのシングルではフィードバックが多用されるなど、当時のお約束事の間奏の部分では「説明」を排してサウンドの威力で語りかけている。


さあて、
きのうの歌で「教える」という意味での「SHOW」ということを説明したけれど、
今夜は、その「教える」のもうひとつの形態である[explain」ということでこの歌を引っ張り出して来たのだが、

explainという語は、言うまでもなく「説明」するということ。漢字をそのまま読んで「説き+明かす」ことで、
不明な事や不明な部分を説いて明らかにする。
これと同じ図式が「explain」の綴りにも読み取ることができて、
「エクスプレイン」とは「物事をプレイン」にすることだと理解しておけばいいだろう。
「ex + plain」である
「plain」とは、平易、平明、わかりやすい、簡素、、、、とかいうことだ。
そして「explain」の接頭辞の「ex−」とは「外に」という働きをもった語で、
ある物事、物や事を「外に」向けて「平易」な「わかりやすい」かたちにすること、それが「説明=explain」するということになる。という与太話。
こんな話、学術的にはゼロだから、冗談として言わないとアホとして扱われますのでご注意くだされ。

きのうの「show」が「やって見せる」という動詞色の強いパフォーマティヴな「教える」であるとしたら、
きょうの「explain」は(むしろ「what」に近い)名詞色の強い(テキトーな言葉が思いつかないが)そういう「教える」である。まさに「説明的」なわけだ。

明日は「教える」のもう一態についてお話しましょう。


ところで、この「おれ、説明できねえよ」という歌がThe Whoのデビュー曲というのがけっこう面白い。
つまり、フーというグループは「説明できない」と歌って世の中に出て来たグループだった。
たとえば、ビートルズについて同じことを見てみれば、彼らは「愛しておくれ」Love Me Do と歌って世に出て来た。
そして後には世界中に向けて「愛こそはすべて」All You Need Is Love と大文字の「LOVE」を歌ったりすることになる。
ローリングストーンズは(デビューはオリジナルでなくチャック・ベリーの作品だったが)「来いよ」Come On がデビュー曲。いまも老いてますますさかんであります。
ぼくのここでもお馴染みのレイ・デイヴィスのキンクスでいえば、それは「きみに夢中」You Really Got Me。彼らの場合は、その「きみ」たちに翻弄されまくる狂気を丹念かつユーモラスに歌にしていった。べつに計算してそうしたわけではなく、うまく道に乗っかると自然にそういうふう足跡が絵になっていくようだ。カッコイイなあ。それがお仕事というものであるようだ。work。