Deportee (Plane Wreck At Los Gatos)


Words by Woody Guthrie.
Music by Martin Hoffman.
(1949年発表)*1



(原題直訳「強制退去処分」(ロスガァトスの飛行機遭難))*2



From The Byrds album, "Ballad Of Easy Rider".
名作アルバム度 ☆

イージー・ライダー」 (バーズ)



And you can listen to Bruce Springsteen singing this song on live tribute album, "'Til We Outnumber 'Em: Woody Guthrie".
名作アルバム度 ☆☆☆☆

「トリビュート・トゥ・ウディ・ガスリー〜ロックンロール・ホール・オブ・フェイム・ライヴ」*3
(ブルース・スプリングスティーン*4



And you can kisten to Judy Collins singing this song on the memorial live album, "A Tribute to Woody Guthrie"
名作アルバム度 ☆☆☆☆

(ジュディ・コリンズ)*5



Also you can listen to Cisco Houston album,
"Cisco Houston Sings the Songs of Woody Guthrie".
名作アルバム度 ☆☆☆☆☆

(シスコ・ヒューストン)



Also you can listen to Dolly Parton album, "9 to 5 and Odd Jobs".
名作アルバム度 ☆☆☆☆

「9時から5時まで」 (ドリー・パートン




歌詞は、次のURLから
http://www.mp3lyrics.org/w/woody-guthrie/deportees/



名曲度 ☆☆☆






邦題 「ディポーティ」 (バーズ)*6







The crops are all in and the peaches are rotting,
収穫はすべて取り入れ、桃が腐りだしている
The oranges are stacked in their creosote dumps;
オレンジは防腐剤の海に山と積まれた
They're flying them back to that Mexican border
当局はその連中を飛行機でメキシコ国境まで送り返す
To pay all their wages to wade back again
彼らの賃金をすべて支払い、とぼとぼと追い返してしまうのだ




Goodbye to my Juan, goodbye, Rosalita,
さよなら、わたしのホァン、さようなら、ロザリータ
Adios mi amigo, Jesus and Maria;
アディオス、わが友、イエス様にマリア様
You won't have a name when you ride the big airplane,
でっかい飛行機に乗るときは、あんたたちには名前はないんだ
And all they will call you will be "deportees"
そう、あいつら口を揃えて「強制送還」ってあんたのことを呼ぶだろう




My father's own father, he waded that river,
わたしの父のそのまた父は、歩いて渡河してやって来た
They took all the money he made in his life;
生涯かけて稼いだ金を当局はそっくり全部取り上げた
My brothers and sisters come working the fruit trees,
わたしの兄と弟や、それに姉や妹も
果物のなる木の仕事をしにやって来た
And they rode on the trucks till they took down and died.
そして、トラックに乗せられ、やがて降ろされ、死んだのさ




Goodbye to my Juan, goodbye, Rosalita,
さよなら、わたしのホァン、さようなら、ロザリータ
Adios mi amigo, Jesus and Maria;
アディオス、わが友、イエス様にマリア様
You won't have a name when you ride the big airplane,
でっかい飛行機に乗るときは、あんたたちには名前はないのさ
And all they will call you will be "deportees"
そう、あいつら口を揃えて「強制送還」ってあんたのことを呼ぶだろう




Well some are illegal, and some are not wanted,
そうさ、不法の者もいれば、あぶれてしまった者もいる
Our work contract's out and we've got to move on;
おれたちの就労契約は期限切れ
だから、おれたちは移動しなければならないのだ
Six hundred miles to that Mexico border,
メキシコ国境までの600マイルを
They chase us like outlaws, like rustlers, like thieves.
やつらに追い立てられながら
まるでおれたちが無法者や牛泥棒や窃盗団であるかのように




Goodbye to my Juan, goodbye, Rosalita,
さよなら、わたしのホァン、さようなら、ロザリータ
Adios mi amigo, Jesus and Maria;
アディオス、わが友、イエス様、マリア様
You won't have a name when you ride the big airplane,
でっかい飛行機に乗るときは、あんたたちには名前はないんだ
And all they will call you will be "deportees"
そう、あいつら口を揃えて「強制送還」ってあんたのことを呼ぶだろう




We died in your hills,
おれたちはあんたがたの丘で死んだよ
And we died on your deserts,
そう、おれたちは、あんたがたの砂漠で死んだ
We died in your valleys
あんたらの渓谷でおれたちは死んだんだ
And died on your plains.
そう、おれたちはあんたらの草原で死んだのさ
We died 'neath your trees
あんたんとこの木々の下でおれたちは死に
And we died in your bushes,
そして
あんたんとこの茂みの中でおれたちは死んだんだ
Both sides of that river, we died just the same.
あの川の両岸で、おれたちはまさに同じように死んだんだ




Goodbye to my Juan, goodbye, Rosalita,
さよなら、わたしのホァン、さようなら、ロザリータ
Adios mi amigo, Jesus and Maria;
アディオス、わが友、ヘススにマリーア
You won't have a name when you ride the big airplane,
でっかい飛行機に乗るときは、あんたたちには名前はないのさ
And all they will call you will be "deportees"
そう、あいつら口を揃えて「強制送還」ってあんたのことを呼ぶだろう




The sky plane caught fire over Los Gatos Canyon,
飛行機はロスガァトス峡谷の上空で火を吹いた
Like a fireball of lightning and shook all our hills,
まるで稲妻のように火の玉になって
そう、わたしたちの丘を揺るがしたのだ
Who are all these friends, all scattered like dry leaves?
枯葉のように全員が撒き散らされた
これらの友人たちは、みんな、いったい誰なのだろうか?
The radio says, "They are just deportees"
ラジオが言うには
「彼らは強制送還者ばかりでした」ということだ




Goodbye to my Juan, goodbye, Rosalita,
さよなら、わたしのホァン、さようなら、ロザリータ
Adios mi amigo, Jesus and Maria;
アディオス、わが友、ヘススにマリーア
You won't have a name when you ride the big airplane,
でっかい飛行機に乗るときは、あんたたちには名前はないんだ
And all they will call you will be "deportees"
そう、あいつら口を揃えて「強制送還」ってあんたのことを呼ぶだろう




Is this the best way we can grow our big orchards?
これが、われわれの大果樹園を発展させるいちばんのやり方なのか?
Is this the best way we can grow our good fruit?
これが、われわれがおしい果実を実らせる最良の方法なのだろうか?
To fall like dry leaves and rot on my topsoil
枯葉のように振り落とされて、そしてうちの表土で腐っていく
And be known by no name except "deportee"?
そう、
ただ「強制送還」という以外のいかなる名前で知られることもなく




Goodbye to my Juan, goodbye, Rosalita,
さよなら、わたしのホァン、さようなら、ロザリータ
Adios mi amigo, Jesus and Maria;
アディオス、わが友、イエス様にマリア様
You won't have a name when you ride the big airplane,
でっかい飛行機に乗るときは、あんたたちには名前はないのさ
And all they will call you will be "deportees"
そう、あいつら口を揃えてあんたらのことを「強制送還」って呼ぶだろう






Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞







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1947年にアメリカ合衆国とメキシコ共和国の間でひとつの協定が結ばれた。
それによると合衆国政府から過去に強制退去処分を受けたメキシコ人不法就労者も、一時的に短期の労働者としてアメリカへの入国が許可されるというもので、これによってカリフォルニアの果樹園などでは収穫時期の季節労働者をメキシコから調達することができるようになったわけだが、この協定はしばしば雇用者側のアメリカ人によって悪用された。すなわち雇用期間が過ぎてしまった外国人労働者を雇用者が当局に不法滞在者として通報し、それを受けた当局は彼らを国外退去処分として国境のメキシコ側の町に送還する。そこで翌年、同じ雇用者が再び同じメキシコ人労働者と短期の就労契約を結びなおし、安価な労働力を繰り返し確保するというやり方だ。
こうした中、1948年1月29日、彼らメキシコ人不法滞在者を国境の町まで移送する州当局の飛行機の墜落事故が起こり、28人の「強制退去処分者」が命を落とすという惨事があった。彼らはひとりひとりには「ホアン」や「ロザリータ」や「ヘスス」や「マリーア」といった名前があったにもかかわらず、それらの名前が報じられることはいっさいなかった。






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【A Year Ago−Go!】


(1年前のエントリーを Playback♪)



・「カモン!!」 (スレイド)

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050206

*1:当初はガスリーの詩の朗誦だけで長くメロディーなしで知られていたが、1950年代の後半に入ってマーティン・ホフマンという学校教師がこれにメロディーをつけ、ピート・シーガーがステージで歌うようになって今日のかたちで広まった。下に紹介したアルバムの発表年は、シスコ・ヒューストンが1960年、バーズが1970年、ドリー・パートンが1981年、ブルース・スプリングスティーンが2000年と着実にアメリカで歌い継がれてきている歌のひとつだ。他にボブ・ディランジョーン・バエズ、ジュディ・コリンズ、キングストン・トリオ、ピーター・ポール&マリーなど大勢のアーチストがこの曲を歌っている。

*2:言葉としては「deportee」という語は「被追放者」という程度のもの。ロスガァトスは、サンノゼの南西にある現在ではカリフォルニア州の保養地として知られる町だが、この歌の当時は何もない緑深い峡谷だったようだ。

*3:ウディ・ガスリーの「ロックの殿堂」入りを讃ええて行われてア2000年のトリビュート・コンサート、他にカントリー・ジョー・マクドナルド、アーロ・ガスリー、ビリー・ブラッグなどがウディの名曲を歌っている。

*4:スプリング・スティーンは副題と本題を入れ替えてそれを曲名としている。「Plane Wreck At Los Gatos (Deportee)」

*5:1967年のガスリーの死に際し、カーネギーホールで行われた追悼コンサートのライヴ録音。ほかにピート・シーガーボブ・ディランジョーン・バエズ、ランブリン・ジャック・エリオット、オデッタ、アーロ・ガスリー、トム・パクストンなどすごい顔ぶれが勢揃いしている。

*6:ほかにアーチストによって「ディポーティー」「追われ人」などの邦題がある。