Aquarius / Let The Sunshine In

Words by James Rado and Gerome Ragni.
Music by Galt MacDermot.
(1969年発表)




(原題直訳 「水瓶座/太陽の光を差し込ませよう」)





Performed by The Fifth Dimension.

You can listen to The Fifth Dimension album, "Aquarius Let The Sunshine In".
名作アルバム度 ☆☆

フィフス・ディメンション



And you can listen to their compilations such as "The Ultimate Fifth Dimension".
推奨アルバム度 ☆☆☆☆☆


「アルティメット・フィフス・ディメンション」 (フィフス・ディメンション


Also you can listen to 1968 Original Broadway Cast album,
"Hair - The American Tribal Love Rock Musical"
名作アルバム度 ☆☆☆

(オリジナル・ブロードウェー・キャスト)




名曲度 ☆☆☆☆☆




邦題 「輝く星座 〜 レット・ザ・サンシャイン・イン」 (フィフス・ディメンション







When the moon is in the Seventh House
月が第7宮にあり
And Jupiter aligns with Mars
木星が火星と直列するとき
Then peace will guide the planets
そのときこそ、平和が諸々の惑星を導くことだろう
And love will steer the stars
そして愛が星々の舵を取るのだ
This is the dawning of the age of Aquarius
いまは水瓶座の時代の夜明けのとき
The age of Aquarius
水瓶座の時代だ
Aquarius! Aquarius!
アクエリアス! アクエリアスだ!




Harmony and understanding
調和と理解と
Sympathy and trust abounding
共感と信頼が満ち溢れる
No more falsehoods or derisions
インチキやバカげたものはもうおしまい
Golden living dreams of visions
ヴィジョンに溢れた光り輝く生の夢
Mystic crystal revelation
神秘的な透徹とした黙示
And the mind's true liberation
そして心の真の解放
Aquarius! Aquarius!
アクエリアス! 水瓶座




When the moon is in the Seventh House
月が第7宮にあり
and Jupiter aligns with Mars
木星が火星と直列するとき
Then peace will guide the planets
そのとき、平和が諸々の惑星を手引きするだろう
And love will steer the stars
そして愛が星々の舵を取るのだ
This is the dawning of the age of Aquarius
いまや水瓶座の時代が明けようとしているのだ
The age of Aquarius
水瓶座の時代
Aquarius! Aquarius!
アクエリアス! アクエリアスだ!




Let the sunshine,
陽の光を
Let the sunshine in
太陽の輝きを差し込ませよう
The Sunshine in
陽の光を入れるんだ
Let the sunshine,
太陽の輝きを
Let the sunshine in
陽の光を入れるんだ
The Sunshine in
太陽の光が差してくるぞ





Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞





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占星術によるとこの大宇宙は25868年かけて12星座を一巡りするそうだ。
そして(諸説はあるようだが*1)2060年から時代は「アクエリアス」こと「水瓶座」の時代がはじまるのだそうだ。
調和と理解、愛と平和と自己への気づき*2と自由、そんな新しい次の時代の幕明けがやってくる。そういう「(より)大きな物語」としての「希望」がヒッピーの思想のバックボーンになっていた。そして、この「水瓶座の時代」という新しい時代の思想や価値観は(今日では)「ニュー・エージ」という言葉でこの時代に定着していることは説明するまでもないだろう。東洋と西洋の、古いものと新しいもの「調和」と「理解」、自然食やヨーガ、メディテーション大麻、LSD、鍼、漢方、易経、禅、ヒンドゥー哲学、密教、アーユルベーダ、タオ、陰陽の思想と量子力学、各種隠秘思想など(めちゃくちゃな例の挙げ方だが(苦笑))・・・・さまざま思想や哲学、身体の技法などを通じて、より全的な存在としての自己の獲得(だか達成だか到達だか)に向けた感覚の練磨、意識の拡大・・・・、

1960年代末期の時代のモードとされたカウンターカルチャーの中核にあったのは、(けっして「反逆」や「抵抗」だったのではなく)こうしたことを通じた「自己への気づき」self-awareness (すなわち自己への理解と調和)であり、それが欺瞞に満ちた、制度化した思考(=考え方)や既成の体制や社会への抵抗として表現されたり(あるいはは現象することとなった)というのが(いわゆる)あの時代の歴史であり、物語の本当のところだったのだろう。そして、大気のある振動のかたち(=形式)としてのサウンド(=音楽)とそれに乗せた意識への働きかけとしての歌詞を伝える声(!)からなるロックがそこでは(最大最強のメディアとして)大きな役割を果たしていたことは(毎日ここをお読みの方なら)すでに(多くの実例とともに)おわかりいただけるものと思う。*3





フィフス・ディメンションという(すでにいくつものヒット曲を出してていた)たいへんお洒落なロサンジェルスの人気黒人混声コーラス・グループの5人が歌って大ヒットしたきょうのこの歌「輝く星座〜レット・ザ・サンシャイン・イン」は、ベトナム戦争への兵役義務をめぐるヒッピーたちの動揺を描いたオフ・ブロードウェーのヒット・ミュージカル「ヘアー!」HAIR ! *4の挿入曲2曲をメドレーで構成したものだ。*5
この「ヘアー」からは他にも、オリヴァーの「グッド・モーニング・スター・シャイン」、カウシルズの「ヘアー」、スリー・ドッグ・ナイトの「イージー・トゥ・ビ・ハード」が当時のヒット・チャートに入るビッグ・ヒットとなったほか、クインシー・ジョーンズの「ウォーキング・イン・スペース」などもある。




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【A Year Ago−Go!】

(1年前のエントリーを Playback♪)


・「わが心の金曜日」 (イージー・ビーツ)

・「フライデーズ・チャイルド」 (ゼム)


http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050114

*1:そのはじまりを1904年からとするものや、2160年からとするものなどその差は大きく定かなものではないようだが

*2:英語で言うと「self-awareness」

*3:そのあたり、ロック=反逆=反体制=破壊(そして、ときには自己破壊というデカダンス(=頽廃趣味)へと堕してしまう)そんな、とおりいっぺんの図式的な(鈍感で)(頭の悪い)(ステレオタイプな)観念の受け売りが、やがて「自己への気づき」をどこかへ置き忘れ(積み忘れたかのように)(それをすっかり欠落させた)、粗雑で貧相で乱暴な(すぐ終わってしまう)自分勝手な(自己愛たらたらの)サウンドの強烈さ激しさを剥きだしにしたロックとなってそのほぼ10年後に蔓延する、パンク・ロックである(という仮説を(ここで)提示しておこう)。

*4:1967年10月にニューヨークのオフ・ブロードウェーのニューヨーク・パブリック・シアターで初演されて人気を博し、やがて(その半年後に)ブロードウェーボルチモア・シアターで上演された「アメリカ族のラヴ・ロック・ミュージカル」と(サブタイトルに)謳われた作品。タイトルの「ヘアー」はヴェトナムで戦うアメリカ軍兵士の短髪に対するロング・ヘアーで(それが)徴兵拒否のシンボルとされている。脚本はジェローム・ラグニーとジェームズ・ラドゥ、音楽はガルト・マウダモット。全米をはじめ、世界各国の舞台でその国の俳優とその国の言葉で上演された。日本キャスト版は寺田稔(劇団四季)、加橋かつみ(元タイガーズ)、深水龍作(ミスター・スリム・カンパニー)らによるものがCD復刻されているのでモンド趣味なかたはお探しくだされ。(この日本キャスト版の初演では、主要出演者がオフステージで頑張って大麻を吸って逮捕され、公演が中止に追いやられるスキャンダルも起きたとのこと。また、1979年にはミロス・フォアマン監督、ジョン・サベージ主演で映画化もされ、そのオリジナル・サウンド・トラック盤も出ている。

*5:「レット・ザ・サンシャイン・イン」は「The Flesh Failures」(「肉はしくじる」)という曲の後半部分のみをピックアップしたもの。