Animal Farm

Words & Music by Raymond Douglas Davies.
(1968年発表)





(原題直訳 「動物農場」)*1





From The Kinks album,
"The Kinks Are The Village Green Preservation Society".
名作アルバム度 ☆☆☆☆

「ヴィレッジ・グリーン・プリザベイション・ソサエティ」 (キンクス




歌詞は、次のURLから
http://www.oldielyrics.com/lyrics/the_kinks/animal_farm.html




名曲度 ☆☆☆☆




邦題 「アニマル・ファーム」 (キンクス*2







This world is big and wild and half insane
この世界は、大きくて、獰猛で、半ば気が狂っている
Take me where real animals are plain
本物の動物たちがごくありきたりであるところにぼくを連れていってくれよ*3
Just a dirty old shack
ただの汚らしい掘っ立て小屋
Where the hound dogs bark
そこでは猟犬どもが吠え立てている
That we called our home
ぼくらがぼくらの住まいと呼んでたものだ
I want to be back there
ぼくはそこに戻りたいんだ
Among the cats and dogs
猫さんたちや犬さんたち
And the pigs and the goats
それに豚さんたちや牛さんたちの中に
On Animal Farm
動物農場
My animal home
ぼくの動物の家
On Animal Farm
動物農場にある
My animal home
ぼくの動物の家




While I lay my head upon my pillow
枕の上に頭をよこたえていると
Little girl, come play beneath my window
小さな女の子が、ぼくの部屋の窓の下に来て遊んでいる
Though she's far from home
その子は家から遠く離れて来ているけれども
She is free from harm
苦しむことからは自由でいる
And she need not fear
そして彼女には恐れる必要もない
She is by my side
彼女はぼくのかたわらにいる
And the sky is wide
そして空は広々としている
So let the sun shine bright
だから、太陽には明るく輝やいてもらおう
On Animal Farm
動物農場の上に
My animal home
ぼくの動物の家に
On Animal Farm
動物農場にある
My animal home
ぼくの動物の家に




Girl, It's a hard, hard world,
ねえ、きみ、きつい、きつい世の中だぜ
if it gets you down
きみが、もし打ち負かされてしまったら
Dreams often fade and die in a bad, bad world
このひどい、ひどい世の中で
いろんな夢は、だいたいにおいて色褪せ、そして死んでしまう
I'll take you where real animals are plain
ぼくがきみを
本物の動物たちがごく普通なんだよってところに連れていってあげるよ
And people are real people not just plain
そう、人間たちは真の人間たちで、ただ、ありきたりってわけじゃない
It's a quiet, quiet life
それは静かな、静かな暮らしだよ
By a dirty old shack
汚らしい古ぼけた掘っ立て小屋のところ
That we called our home
それはぼくらが自分たちの住まいと呼んでいたもの
I want to be back there
ぼくはそこに戻りたいんだ
Among the cats and dogs
猫さんたちや犬さんたちや
And the pigs and the goats
そして豚さんや牛さんたちの中で一緒の
On Animal Farm
動物農場
My animal home
ぼくの動物の家
On Animal Farm
動物農場
My animal home
ぼくの動物の家
On Animal Farm
動物農場にあるのさ
Animal Farm
動物農場







Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞








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【A Year Ago−Go!】




(1年前のエントリーを Playback♪



・「サマータイム・ブルース」 (エディ・コクラン

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050721

*1:なにしろ、こんなタイトルがついているぐらいだから、やはり、ジョージ・オーウェルの小説「動物農場」Animal Farm との関連は(まるで)ないとは言えないだろう。1945年に発表されたオーウェルの小説「アニマル・ファーム」は、ミスター・ジョーンズという人間の「荘園農場」Manor Farm で酷使される動物たちが、人間による支配体制を打ち崩し、動物たちの平等で自由な社会を打ち立てようという豚のメージャー爺さんの思想を受け継ぎ、ついに叛乱を起こして、動物たちは人間を追放して、自分たちの名を冠した「動物農場」を実現する・・・・。しかし、高い理想を掲げてその「動物農場」を指導する豚たちの間で主導権争いが起こると、やがて、希望は潰え、他の動物たちは言いたいこともいえず、吠え立てる犬どもに脅えながら暮らし、それでも人間たちに支配されていた頃よりはましなのだと自分たちに言い聞かせながらじっと耐えて自分たちの義務を果たしていく・・・・・というもので、言うまでもなく、これはロシア革命とその後のスターリン体制下の共産党独裁を即座に連想させる現代の寓話というべきもので、「革命」の困難とその逆説を描いた諷刺小説だが、キンクスの歌を聴く限りでは「動物農場」は(どちらかというと)望ましいものとしてして歌われており、オーウェルのこの小説よりも、むしろそれはキンクス自身の「エイプマン」にはるかに近いものがあるといえるだろう。(キンクス「エイプマン」>> http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20041220)逆に、むしろ、オーウェルのその「動物農場」を思わせるのは、彼らキンクスが1973年と1974年に発表したアルバム「Preservation Act.1」(プリザヴェーション第一幕)と「Preservation Act.2」(プリザヴェーション第二幕)という(レコード盤にして3枚セット表裏の計6面)からなるレイ・デイヴィスの野心的な大作ロック・オペラ(にして壮大なる失敗作というべき)(愛すべき)「プリザヴェーション」に相通じるものがあると言えるだろう。あらゆる立場のそれぞれの理想を垣間見せながら「社会変革」とその行方を(どう考えてもイギリスでしかない)(ひとつの国を舞台に)描き出したその主題においてもオーウェルの「動物農場」に通じるところがあり、また、ことにその最後の最後(オーラス)の「人造羊」の街など、それこそオーウェルの「動物農場」のさらなる転倒とも言えるものだろう。いま、こうして連日紹介しているこの「ヴィレッジ・グリーン・プリザベイション・ソサエティ」が(やがて)「プリザヴェーション」(第一幕、第二幕)という大作へと発展していったように、いずれ、ここでもその「プリザヴェーション」(全33曲)を(その前日談とも言うべき「Schoolboys In Disgrace」(学童の恥辱)の全10曲ともども)連載で紹介したいと思っている・・・・。けれども、そのまえにキンクスには(この「ヴィレッジ・グリーン」の次回作として発表された)「アーサー、もしくは大英帝国の凋落と失墜」Arthur, Or The Decline And Fall Of The British Empire や「ローラ対大立者とカネは天下の回り物、第一部」Lola vs. Powerman And The Moneygoround Part One といったプロットとストーリーを持ったアルバムがあり、まだまだ先の話になりそうだ。かろうじて、わたしたちはすでにここで「ソープ・オペラ」という1975年の佳作の全編をご一緒したにすぎないことを、いま、あらためてここに記しておくとするので、まだの方は是非どうぞ。キンクス「ソープ・オペラ」全曲訳(第1回)>> http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20051116 

*2:アナログ・レコード盤では、この歌がB面の最初の曲としてラインナップされている。

*3:英語圏のみならずインターネット上の歌詞ではどこも(なぜか)この部分が「Take me where real animals are playing」(ぼくを本当の動物たちが遊んでいるところへ連れていってくれ)となっているが、(ちゃんとレイ・デイヴィスの声とハートに耳傾けて聴いていれば明らかなように)実際には「playing」ではなく「plain」と歌われている。この歌をめぐるレイ・デイヴィス自身の発言でも当然のことながら、そういう前提のもとで語られている。そのあたりについては(まずはこのアルバムを全曲、皆さんと聴き終わったあとで)まとめて述べるとしましょう。