Return To Waterloo

Words & Music by Raymond Douglas Davies.
(1985年発表)



(原題直訳 「ウォータールー往復」)




From Ray Davies's film soundtrack album, "Return To Waterloo".
名作アルバム度 ☆☆☆

(レイ・デイヴィス、キンクスほか)





歌詞は、次のURLから
http://hobbes.it.rit.edu/




名曲度 ☆





邦題 「(不明)」 (レイ・デイヴィス)






Look at all the people around me,
ぼくのまわりのこの人たちみんなを見るといい
Same old faces joining the queue.
いつもお馴染みの顔が並んでる
For return to Waterloo,
ウォータールー駅まで往復するんだ
Return to Waterloo.
ウォータールー駅まで往復するんだ




Started off this morning as usual,
今朝もいつものようにはじまった
Checkin' out the mail and all the bills to pay.
郵便物やら支払わなきゃならない請求書類に目を通した
Maybe something special's gonna happen,
もしかしたら、何か特別なことが起こるかもしれない
Maybe this is my lucky day.
ことによると
きょうはぼくのラッキー・デーかもしれない




The forecast says heavy weather,
天気予報の話だと、ひどい天候になるので
So take your umbrella just in case.
それに備えて傘をお持ちくださいとのこと
Will I get away, will I see it through,
ぼくは逃げ出してしまうだろうか
しっかりとやりとおすだろうか
On the return to Waterloo.
ウォータールーとの往復の中で




Return to Waterloo.
ウォータールーへ戻っていく
Return to Waterloo.
ウォータールとの往復だ




Somehow you feel that the world's been passin' you by.
なんとなく、きみは
世界が自分を通り過ぎていってるような気がしている
Can't help thinkin' somehow they're living a lie.
みんなが何らかのかたちで
偽りを生きているように思えてならない
Now I'm asking questions,
さあ、ぼくは問いかけてるんだ
I never thought I'd ask them before,
自分がみんなにものを訊くなんて
これまでまったく思いもしなかった
Like "why" or "how" or "what" am I doing it for?
「なぜ?」「どうやって?」「何のために?」
ぼくはこんなことをしてるんだろう?
とかそんなことを




Will I reach my destination,
ぼくは目的地にたどり着くだろうか?
Or will I get off along the way?
それとも、途中で降りてしまうだろうか?
Will I reach my destination?
ぼくは行き先にたどり着くのだろうか?




Will I reach my destination,
ぼくは目的地にたどり着くだろうか?
Have I stopped ?
ぼくは
停まってしまっているんじゃないか?
Or am I only going slow?
それとも
ただ、のろのろ行ってるだけなのか?
Have we got a couple more stations,
ぼくらには、まだ2駅ぐらいはあるのだろうか?
Or is this as far as we all go?
それとも、ぼくらはみんな
せいぜいこのあたりぐらいまでなのか?




The headlines cry out from the papers,
新聞の見出しが喚いている
"Inflation," "Murder," "Wars,"
「インフレだ」「殺人だ」「戦乱だ」
Who really wants to know?
本当に知りたいやつなんているんだろうか?
If I return to Waterloo,
もし、ぼくがウォ−タールーへと戻るとたら
It'll cost me more in 1992.
1992年には*1
もっと値上がりしていることだろう





Will I get away?
ぼくは逃げ出してしまうのだろうか?
Will I see it through?
ぼくはきちんとやり遂げるだろうか?
And come back home to you,
そして、きみのいる家に戻って行くのだ
On the return to Waterloo.
ウォータールーとのこの往復をしながら








Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞







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お聴きのとおり、通勤列車の歌である。
そして、この歌はレイ・デイヴィス自身が監督した映画「Return To Waterloo」*2のメインテーマ(主題歌)として発表されたもの。

ロンドンの中心地には、市の出入り口となる鉄道のターミナル駅として、このウォータールー駅のほかにヴィクトリア、セイント・パンクラスパディントンリヴァプール・ストリート、キングズクロス、ユーストン、チャリングクロスの8駅があるが、レイ・デイヴィスが監督したこの映画は、毎日、汽車で近郊の町からロンドンのウォータールーまで通勤する(ケネス・コリー*3扮する)中年のビジネスマン、その住まいのある最寄の駅で列車の到着を待つところから、途中の駅で乗り込んでくる乗客たちの様子や表情を織り混ぜながら、やがてウォータールー駅に到着し、改札を出て、地下鉄に乗り替えていこうとするまでの、ある日の彼の意識を流れを描いている。列車内の時間に限定した繊細な演出とすばらしい映像、そして俳優たちの何ともいえない(いかにもイギリス人ならではなの)味のある顔、さらにバックに流れる彼自身のいくつかの歌が見事なナレーションとなって、ほとんどこれといった意味のあるセリフもなしにとても多くを語りかけ、考えさせてくれるすばらしい映画に仕上がっている。これこそ、まさしく知られざる傑作フィルムなので、自信もってここでお薦めしておきます。

http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/6305269173/qid%3D1129614775/sr%3D11-1/ref%3Dsr%5F11%5F1/103-6484678-
5703858


(いずれ、ここでも連日特集*4のかたちでこの作品も全曲紹介したいと思っています。というより、最近のこの流れからすると(キンクス・ファンには予測可能かと思われますが)「ソープ・オペラ」の全訳に近々とりかからねばならないでしょう。)





◆これまでここで紹介したレイ・デイヴィス(キンクス)の作品 (本日分含めて現在29曲)
(その後、さらに増えて、2007年1月27日現在では68曲を数えています)



・ 「ウェル・リスペクテッド・マン」A Well-Respected Man
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050222


・「新しい日がやってくる」Here Comes Yet Another Day
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20041210#p2


・「危険な街角」Dead End Street
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050322


・「田舎の家」House In The Country
・「豪華邸宅売ります」Most Exclusive Residence For Sale
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050418


・「マスウェル・ヒルビリー」Muswell Hillbilly
・「20世紀の人」20th Century Man
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050422


・ 「スーパーマン」(Wish I Could Fly Like) Superman
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050104


・「エイプマン」Apeman
・「お茶をどうぞ」Have a Cuppa Tea
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20041220


・「ヤング・コンサーヴァティヴス」Young Conservatives
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050808


・「ロージー、家にこないかい」Rosy Won't You Please Come Home
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050415#p2


・「6月の雨の日」Rainy Day In June
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050622


・「ウォータールー・サンセット」」Waterloo Sunset
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050916


・「セルロイドの英雄」Celluloid Heroes
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20051005


・「ひとかけらの情熱」Little Bit of Emotion
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050812


・「ロックン・ロール・ファンタジー」Rock 'N' Roll Fantasy
・「パーマネント・ウェイヴス」Permanent Waves
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050404


・「ローラ」LOLA
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20041230


・「サム・マザーズ・サン」Some Mother's Son
・「ワンダー・ボーイ」Wonder Boy
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050525


・「はかない監獄」Holloway Jail
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050506


・「ライフ・ゴーズ・オン」Life Goes On
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050105


・「ファーザー・クリスマス」Father Christmas
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20041224#p4

  
・「陽の当たる側をごらん」Look A Little On The Sunny Side
・「ホット・ポテト」 Hot Potatoes (Kinks
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20041223


・「ホリデイ」Holiday
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20041222



・「ミスター・プレザント」Mr.Pleasant
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050606#p2

*1:1992年というのは、EU(ヨーロッパ連合)発足(が予定されていた)年。(実際、予定通りに同年、加盟国の間でEU発足を決定するマーストリヒト条約が締結されている。なお、この映画は1985年度の作品。

*2:1985年にいわゆるテレフィーチャー(TV放映用映画)としてイギリスの民間放送チャンネル4で放映された60分のカラー作品。主演はケネス・コリー、このキャスティングだけでも本物の凄味が香ってきます。

*3:http://www.allcinema.net/prog/show_p.php?num_p=54110

*4:これまでにデイヴィッド・ボウイの「ジギー・スターダスト」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050709 やピンク・フロイドの「ザ・ウォールhttp://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050813 を紹介してきました。URL