Flowers Never Bend With The Rainfall

Words & Music by Paul Simon.
(1966年発表)



(原題直訳 「花はけっして降る雨にたわむことはない」)



From Simon & Garfunkel album,
"Parsley, Sage, Rosemary and Thyme".
名作アルバム度 ☆☆☆☆☆

「パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム」 
サイモン&ガーファンクル




歌詞は、次のURLから
http://www.purelyrics.com/index.php?lyrics=rpyvhcee



名曲度 ☆



邦題 「雨に負けぬ花」 (サイモン&ガーファンクル





Through the corridors of sleep
眠りの回廊を奥へと進み
Past shadows dark and deep
暗き深い影をあとに
My mind dances and leaps in confusion
ぼくの心は混乱して踊り跳ねる
I don't know what is real
ぼくには現実とは何なのかわからない
I can't touch what I feel
ぼくは自分が感じたものに触れられない
And I hide behind the shield of my illusion
そして、ぼくは幻影というぼくの楯のうしろに隠れている




So I'll continue to continue to pretend
そうやって、ぼくは
ふりをしつづけることをしつづける
My life will never end
ぼくの生はけっして終わることはないだろう
And flowers never bend
With the rainfall
そして
花が雨に打たれて折れることなど
けっしてありはしないのだ




The mirror on my wall
壁にかかった鏡に
Casts an image dark and small
映し出される暗く卑小な姿
But I'm not sure at all it's my relfection
だが、ぼくにはそれが
自分の姿が映ったものだとは言い切れない
I am blinded by the light
ぼくは光で目がくらんでしまっている
Of God and truth and right
神や真実や正義という光
And I wander in the night without direction
そして、ぼくは方角もわからずに夜を彷徨う




So I'll continue to continue to pretend
そうやって、ぼくは
ふりをしつづけることをしつづける
My life will never end
ぼくの生はけっして果てることはないだろう
And flowers never bend
With the rainfall
そして
花は雨に打たれて折れることはけっしてない




No matter if you're born
人は生まれたからには
To play the King or pawn
王だか歩兵だかの役を演じる*1
For the line is thinly drawn 'tween joy and sorrow
その境界は
喜びと悲しみの間に、かぼそくうっすらと引かれているだけなのだ
So my fantasy
だから
そうやってぼくの空想は
Becomes reality
現実になっていく
And I must be what I must be and face tomorrow
そして、ぼくは自分であるにちがいないものにならなくてはならず、
明日へと直面していくのだ




So I'll continue to continue to pretend
そうやって、ぼくは
ふりをしつづけることをしつづける
My life will never end
ぼくの生はけっして果てることはないだろう
And flowers never bend
With the rainfall
そして
花が雨に打たれて折れることはけっしてないのだ





Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞





∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮






「花」が何であれ、「雨」に打ちひしがれることはない。
「花」なりの強さ・・・・・。



No matter if you're born
To play the King or pawn
For the line is thinly drawn 'tween joy and sorrow

人は生まれたからには
王だか歩兵だかの役を演じる
その境界は
喜びと悲しみの間に
かぼそくうっすらと引かれているにすぎない




わたしはこれを次のように誤訳してみたい*2




For the line is thinly drawn 'tween joy and sorrow
そのセリフは喜びと悲しみの間にうっすらと記されている



わたしたちの心が発するセリフは大きく分けるとそうなるのではなかろうか。
そして、その根本はフロイトがいうような(快不快の)「快感原則」というよりも、
むしろ、遠い日々、まだわたしたちが野生動物だったころの危険/安全のべつによるのではなかろうか?
そこから喜びも悲しみも、快も不快も、楽も苦も生まれてくるのだ。
そして、わたしたちの心はそうした中でつねに不安や恐怖という未(決)定のものに取り囲まれ、さらされ、あるいはそれらを抱え込み、つねに未(決)定のものから道を誤り、踏み外し、過ちをおかしてきたのだろう。
不安も恐怖も、それはいまだ「未(決)定」のものであり、けっしてそこには実=際にはないものだ、そのことをよく見据えておくとよい。*3


映画「スターウォーズ」の中では、「フォース」のダークサイド(暗黒面)について、その発端を「fear」(恐怖心)にあるとしている。それが[angaer」(怒り)となり、「hate」(憎しみ)となっていくのだ。
そして、いうまでもなく、そこから復讐や暴力や圧制や、ありとあらゆる悪(evil)なるものが噴出してくることになるのだろう。
この「悪」(evil)というスペル*4は、そうです、「生」(live)が(呪われたのか)逆に綴られたものなのですね。(神と犬と同じように)


そして、これはコッポラの「地獄の黙示録」だっただろうか、
「人生」(life)の中身は「もしも」(l−IF−e)ばかりである。


どうでしょうか、この先の航海に役に立ちそうですか?

*1:チェスの「キング」、将棋の「王将」、チェスの「ポーン」、将棋の「歩兵」。この歌の3年まえに発表されたボブ・ディランオの「ヤツらのゲームの中のしがない歩兵」Only A Pawn In Their Game という歌が連想される。

*2:複数形で「lines」だったらいいのになあ。

*3:「こころ」は「ここ」にあるから「心」なので、そうでえなければ「虚ろ」になってしまうだろう。移ろいやすい「移ろう」心、ひどくなると「欝」ろーだうん。それと英語の「heart」には「聞く」(hear)が見えるね。心は聞くんだよ、ハートが聞く。そして「heart」は「he−art」と読める「(三人称の)彼が(二人称の古いBe動詞」のかたちで)「いる」)、そう、心には彼がいる、「彼」が二人称で「あなた」として存在している。心の耳を傾けてごらん。って何の話やねん?

*4:「spell」「spelling」には、ご承知のとおり「呪う」「呪い」という意味がありますネ。