In The Days Before Rock 'N' Roll

Words & Music by Paul Durcan and Van Morrison. *1
(1990年発表)










(原題直訳 「ロックンロール以前の日々に」)









歌詞は、次のURLから、
http://www.sing365.com/music/lyric.nsf/In-The-Days-Before-Rock-'N'-Roll-lyrics-Van-Morrison/22038F67B621C0FB48256A34000DA2BB









From the Van Morrison album, "Enlightenment".

名作アルバム度 ☆☆☆☆



アルバム「エンライトンメント」(ヴァン・モリスン)より











名曲度 ☆☆









邦題「イン・ザ・デイズ・ビフォー・ロックン・ロール」 (ヴァン・モリソン










Justin, gentler than a man
ジャスティン、人間よりも優しいやつ
I am down on my knees
ぼくはひざまづいて
At the wireless knobs
ラジオのつまみに向かう
I am down on my knees
ぼくはひざまづいて
At those wireless knobs
ラジオのあのつまみに向かう
Telefunken, Telefunken  *2
テレファンケンだ、テレファンケンさ
And I'm searching for
そして、ぼくは探してるんだ
Luxembourg, Luxembourg,  *3
ルクセンブルグを、ルクセンブルグ
Athlone, Budapest, AFN,  *4 *5 *6
アスロンに、ブダペストに、AFN
Hilversum, Helvetia  *7
ヒルヴェルサムに、ヘルヴェチア
In the days before rock 'n' roll
ロックンロールよりもまえの時代のこと




In the days before rock 'n' roll
ロックンロールよりもまえの日々のこと
In the days before rock 'n' roll
ロックンロールよりもまえの時代のこと




When we let,
ぼくたちはカネを出して
Then we bet
それから、ぼくたちは賭けたんだ
On Lester Piggott  *8
レスター・ピガットに
When we met
ぼくたちは顔を合わせると
We let the goldfish go  *9
ぼくたちは金魚を逃がしてやった




In the days before rock 'n' roll
ロックンロールよりもまえの時代のこと




Fats did not come in  *10
デブっちょは現れなかった
Without those wireless knobs
あのラジオのつまみなしには
Fats did not come in
デブっちょはやって来なかった
Without those wireless knobs
あのラジオのつまみなしには
Elvis did not come in *11
エルヴィスは登場しなかった
Without those wireless knobs
あのラジオのつまみなしには
Nor Fats, nor Elvis
デブっちょも、エルヴィスも
Nor Sonny, nor Lightning  *12
ソニーも、稲妻(ルビ=ライトニング)も
Nor Muddy, nor John Lee  *13
泥んこ(ルビ=マディ)も、ジョン・リーだって




In the days before rock 'n' roll
ロックンロール以前の時代には
In the days before rock 'n' roll
ロックンロールよりもまえの日々には




When we let
ぼくたちはカネを出して
And we bet
そして、ぼくたちは賭けたんだ
On Lester Piggott 10/1
10倍のレスター・ピガットに
And we let the goldfish go
そして、ぼくたち、金魚を逃がしてやった
Down the stream
小川(ルビ=せせらぎ)にな
Before rock 'n' roll
ロックンロールよりもまえに
We went over the wavebands
ぼくたちは周波数帯を動かして
We'd get Luxembourg,
ぼくたちはルクセンブルグにダイヤルを合わせる
Luxembourg and Athlone
ルクセンブルグやアスロンに




AFN stars of Jazz *14
AFNのジャズのスターたち
Come in, come in, come in, Ray Charles *15
来いよ、来いよ、出て来いよ、レイ・チャールズ
Come in, the high priest
出て来いよ、偉い聖職者(ルビ=ハイプリースト)




In the days before rock 'n' roll
ロックンロールよりもまえの時代のこと
In the days before rock 'n' roll
ロックンロール以前の日々に





When we let
ぼくたちはカネを出して
And we bet
そして、ぼくたちは賭けたんだ
On Lester Piggott 10 to 1
10対1のレスター・ピガットに
And we let the goldfish go
そして、ぼくたちは金魚を逃がしてやった
And then the killer came along *16
すると、そのとき殺人鬼(ルビ=キラー)がやって来た
The killer, Jerry Lee Lewis
必殺の男(ルビ=キラー)、ジェリー・リー・ルイス
A Whole Lotta Shakin' Goin' On,  *17
丸ごと凄い震えがつづいていく(ルビ=ホール・ロッタ・シェイキン・ゴーイン・オン)
Great Balls Of Fire *18
大いなる火の玉だ(ルビ=グレート・ボールズ・オヴ・ファイアー)
Little Richard   *19
ちっちゃなリチャード




Justin, gentler than a man *20
ジャスティン、人間よりも優しいやつ
Justin, Justin, where is Justin now?
ジャスティン、ジャスティン、
ジャスティンは、いま何処(ルビ=いずこ)?
What's Justin doing now?
ジャスティンはいま何をしてるんだろう?
Just, where is Justin now?
ズバリ、ジャスティンはいま何処に?












Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞 121210











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【Years Ago−Go!】







(1年前のエントリーを Playback♪)







・「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」 (シンディ・ローパー
  (Girls Just Wanna Have Fun)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20070701







(2年前のエントリーも Playback♪)







・「船が入ってくるとき」 (ボブ・ディラン
  (When The Ship Comes In)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060701








(3年前のエントリーも Playback♪)








・「雨降り」 (ピーター・ポール&マリー)
  (It's Raining)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050701

















【Years Ago−Go!】







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・「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」 (シンディ・ローパー
  (Girls Just Wanna Have Fun)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20070701







(2年前のエントリーも Playback♪)







・「船が入ってくるとき」 (ボブ・ディラン
  (Whrn The Ship Comes In)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060701








(3年前のエントリーも Playback♪)








・「雨降り」 (ピーター・ポール&マリー)
  (It's Raining)
http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050701

*1:共作者としてクレジットされているポール・ダーカンは、1944年生まれ(つまり、1945年生まれのヴァン・モリスンと同世代の「ワイルド・チルドレン」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20061229 (?) )のアイルランドの現代詩人で、きょうのこの歌で自らヴァースに相当する部分を朗読しているが、その部分が彼によるものと考えるのが自然だろう。

*2:この「テレファンケン」は1903年に設立されたドイツのラジオ機器メーカーで、第二次大戦前のヨーロッパではしばしば「ラジオ」の代名詞のようにも通用するほどこの「テレファンケン」社製造のラジオやその同型のラジオが普及した。 (また、余談になるがEMIのアビーロード・スタジオにもアンプをはじめこのテレンファケン社の機器が装備されていたとのこと。(そして、また、さらについでの余談になるが)(調べているといろんなことにブチ当たるもので)ビバップ時代のケニー・クラークの1955年のサヴォイからのアルバムに「テレファンケン・ブルース」というタイトルの作品があって、のちにともにMJQを結成することになるミルト・ジャクソンもこのアルバムに参加している。

*3:ルクセンブルグは(もちろんヨーロッパの小国、ルクセンブルグ公国のことだが)(それよりも)(ロックやきょうのこの歌の文脈においては)「ラジオ・ルクセンブルグ」のことでイギリスの若いリスナーには自国のラジオ局よりもはるかにアメリカに寄ったヒップな選曲で人気があり、番組スポンサーもイギリスの企業が多く名を連ねていた。

*4:1931年から1975年までアイルランドのラジオ局があった町の名前で、その出力の強さは遠くモスクワまで聞こえたというほどでヨーロッパ全土に届くラジオとして当時、ヨーロッパで市販されていたラジオにはアスロンの周波数のところにマークがあったとのこと。

*5:ブダペストは(言わずと知れたハンガリーの首府だが)(ここでもまた、きょうのこの歌に登場するのは)1950年以来、ヨーロッパで「ラジオ・ブダペスト」として広く知られていたハンガリーのラジオ局、マーニャ・ラジオ(発音未確認)の国際放送のことだろう。

*6:AFNは(日本でも第2次大戦後に「進駐軍の放送」として親しまれた)アメリカ軍の軍人、軍属、並びにその家族向けに放送されていた「アメリカン・フォーセズ・ネットワーク(米軍放送網)」のことで(日本のかつての「FEN」(=ファー・イースト・ネットワーク=極東放送網)もその一環)、イギリスでは大陸進攻をまえにアメリカ軍が駐留するようになった時期から放送がはじまり(BBCや政府の要請で(アメリカのオソラクハ低俗な文化の影響から自国のモラル・レベルを守るべく(?)w)出力は低く抑えられていたものの)(ノルマンジー上陸後の反攻以降はヨーロッパ各地からの放送を受信して)(日本の戦後同様)戦中からジャズをはじめとするアメリカの音楽がショー番組がふんだんに聴けることで広く一般リスナーにも喜んで聴かれ、その後のイギリスの音楽シーンにも(日本の場合と同様)無視できない測り知れない影響を残しているとされている。

*7:ヒルヴェルサム」はオランダのラジオ局が集まっていた同国中西部の村。「ヘルヴェチア」はローマ時代のスイスの(ラテン語による)呼称だが、きょうのこの歌や(その主題である)ラジオとの関連は不明。おそらくは「H」音の頭韻による詩人特有の(また、ローマ時代という(ロックンロール以前のw)遥か太古への)(それこそ)ローマンチックな言及だろうか(?)。

*8:レスター・ピガット(1935 - )はイギリス競馬史上にその名を残す名ジョッキーで、1948年に13歳で初勝利して以来、1950年代、60年代、70年代、80年代を通じて第一線で活躍しつづけ、1985年の引退までにダービー優勝9回をはじめとする通算4493勝を記録、1975年には(ビートルズと同じ)O.B.E.を受勲(その後、引退後の脱税事件で剥奪という不名誉を受けている)。ヴァン・モリスンの世代の英国人(イングランドスコットランド北アイルランドウェールズの人々)にとっては、子供のころから名前が知れわたっていた騎手ということになる。

*9:(いくら「黄金(ルビ=ゴールド)」であれ)なかなか「金魚」という競走馬は(おそらく、どこの国の社会でも)考えにくいので、これはそのまま遊園地やお祭りのアトラクションの(日本で言う「金魚掬い」のような)ゲームで得た金魚のことと考えての訳となったが、どことなく、これは「アンド・イット・ストーンド・ミー」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20041215#p2 の少年時代の情景(ルビ=スケッチ)にも通じるものがなくもないラインとして響く。

*10:ここでは「デブっちょ」と訳したが、ニューオーリンス出身のロックンロールの創生期の偉人のひとりに数えられるシンガー&ピアニストのファッツ・ドミノ(1928 - )のこと。

*11:これも もちろん「キング」こと、エルヴィス・プレスリー(1935 - 1977)以外ではありえませんね♪

*12:サニー・ボーイウィリアムスンII世(1908 - 1965)とテキサス出身のカントリー・ブルース・シンガーで独特のピッキング・スタイルによるギタリストとしても強い影響を残しているライトニング・ホプキンズ(1912 - 1982)だろう。サニー・ボーイ・ウィリアムソンはそのハーモニカ・プレイが有名で彼の「ヘルプ・ミー」(や「テイク・ユア・ハンド・アウト・オヴ・マイ・ポケット」)は長くヴァン・モリスンのステージの定番レパートリーになっている。

*13:もちろんマディ・ウォーターズ(1913 - 1983)とジョン・リー・フッカー(1912 - 2001)以外ではありえない!! 両者ともヴァン・モリスンをはじめとする その後の白人のロックにもっとも強い大きな影響を与えたブルースマンと言ってよいだろう。とくにジョン・リーがヴァン・モリスンに与えた影響はヴァンの数々の歌において一聴して明らかだ。

*14:これはそういうタイトルのジャズの番組があったとも考えられる(がとくに調べてみたわけではない)。

*15:レイ・チャールズ(1939 - 2004)は、言わずと知れた(You must know !)盲目の偉大なR&Bシンガー&ピアニスト。ヴァン・モリスンら当時の白人のレコード購買層に影響を持つようになるのはアトランティック・レーベルの時代からと言ってよいだろう。モリソンはレイ・チャールズの「アイ・ビリーヴ・トゥ・マイ・ソウル」などを若い頃からステージでのレパートリーにしているほか、自作の「ティーズ・ドリームス・オビ・ユウ」などの歌に彼の名前を引用したり、ステージでもよくその名前を挙げている。

*16:ここでは「殺人鬼(ルビ=キラー)」と訳したが、すぐに明かされるように(この「ザ・キラー」(=「必殺の男」)は(エルヴィスと同じくメンフィスのサン・レーベルからデビューした)1950年代の白人ロックロールの代表的なシンガー&ピアニストのジェリー・リー・ルイス(1935 - )のニックネーム。

*17:ジェリー・リー・ルイスが1957年に放った彼の最初の大ヒット曲でロックンロールそのものを代表する古典的な名曲「ホール・ロッタ・シェイキン・ゴーイン・オン」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20080116 。(べつにそのつもりだったわけではないが、ここSCIGO(「Somethin' Celebration Is Goin' On」というタイトル)にも無意識裡にその響きは反響しているようだwink。)

*18:同じくジェリー・リー・ルイスの1957年の大ヒット曲でロックンロールの代表的な名曲「火の玉ロック」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20080429

*19:言わずと知れた「キング・オブ・ロックンロール」を自称した最大限にグレートなリトル・リチャード♪(1932 - )、(日本でもよく知られる)「のっぽのサリー」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20051102 や「グッド・ゴーリー・ミス・モーリー」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20061002#p3 が代表作に数えられる。

*20:女子名と考えられるこの「ジャスティン」が何/者なのかは不明。愛犬の名前なのか、ラジオのDJなのか、司会者なのか、はたまたラジオの製品そのものやメイカー名なのか・・・・・ワカリマヘン。