Malted Milk


Words & Music by Robert Johnson.
(1937年発表)




(原題直訳 「麦芽入りのミルク」)*1







From Robert Johnson compilation, "King Of The Delta Blues SingersVol.2".
推奨アルバム度 ☆☆☆☆☆

「キング・オブ・ザ・デルタ・ブルース・シンガーズ VOL.2」(ロバート・ジョンソン





And you can listen to Robert Johnson box set compilation,
"The Complete Recordings".
推奨アルバム度

「コンプリート・レコーディングス」 (ロバート・ジョンソン






Also you can listen to Eric Clapton live album, "Unplugged".
名作アルバム度 ☆☆☆☆☆

「アンプラグド」 (エリック・クラプトン







歌詞は、次のURLから
http://blueslyrics.tripod.com/artistswithsongs/robert_johnson_2.htm#malted_milk






名曲度 ☆☆







邦題 「麦芽ミルク」 (ロバート・ジョンソン











I keep drinkin' malted milk,
おれはずっと麦芽入りの牛乳を飲んでるんだ
Try'n to drive my blues away
おれの憂鬱を追っ払おうとしてな
I keep drinkin' malted milk,
おれはずっと麦芽入りのミルクを飲んでるんだ
Try'n to drive my blues away
おれのブルースを追い払おうとしてな
Baby, you just as welcome to my lovin',
As the flowers is in May
ベイビー、おまえなら、
5月の花みたいなもんで
まさにおれの愛情にようこそってなもんだぜ




Malted milk, malted milk,
麦芽入りのミルク、麦芽入りのミルク
Keep rushin' to my head
ずっとおれの頭の中を攻めまくる
Malted milk, malted milk,
麦芽入りの牛乳、麦芽入りの牛乳
Keep rushin' to my head
しきりにおれの頭に迫ってきやがるぜ
And I have a funny, funny feelin',
それで、おれはおかしな、おかしな気持ちになって
And I'm talkin' all out my head
そう、おれはすっかり気もそぞろに喋ってるんだ




Baby, fix me one more drink,
ベイビー
おれにもう一杯その飲み物を決めてくれ*2
And hug your daddy one more time
んで、おまえの愛するオトコを
もう一度、抱擁してくれや
Baby, fix me one more drink,
ベイビー
おれにその飲み物をもう一杯仕掛けてくれよ
And hug your daddy one more time
それで、おまえのこのお父ちゃんをハグしてくれ
Keep on stirrin' my malted milk mama,
おれの麦芽入りのこのミルクを
母ちゃん、ちゃんとしっかりかき混ぜててくれよ
Until I change my mind
おれの気持ちが変わるぐらいにな




My door knob keeps on turnin',
おれんとこのドアノブが
ずっと回っりぱなしなんだ
It must be spooks around my bed
ありゃあ、
おれの寝床のまわりにいる幽霊どものせいだぜい
My door knob keeps on turnin',
おれんとこのドアノブがしょっちゅう回りっぱなしだぜ
Must be spooks around my bed
きっと、おれの寝床のまわりにいる
お化けどものせいにちげえねえ
I have a warm, old feelin',
おれは生温かい、懐かしい気持ちがしてるんだ
And the hair risin' on my head
で、おれの頭で髪の毛が逆立ってやがるんだ









Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞










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何のことだが、さっぱりわけのわからない歌ですが、
いろいろワケありであるようなのはわかりますです・・・・。
なので、あまり詮索するのは控えておくといたしましょうか。
ということで(註でも述べておいたとおり、)
きょうのこの歌のタイトルの「Malted Milk」というのは、
(いわゆる「麦芽乳」のことではなく)
単にミルクに麦芽粉を混ぜてよくシェークしたものだ(という説明が広く英語圏のブルース・ファンの間でも流布している)けれども、




I keep drinkin' malted milk,
Try'n to drive my blues away

おれはずっと麦芽入りの牛乳を飲んでるんだ
おれの憂鬱を追い払おうとしてな




とあるように、この麦芽入りのミルクには(どうやら)「うさを晴らす」効用があるようだ。
つまり、歌の内容からして(わたしがひとり勝手に想うのは)「ウィスキーを混ぜたミルク」(という意味での「モルト入りのミルク」)の線も考えられなくはないのではなかろうか、ということだ。
それが飲むに耐えるものかどうかはわからないが・・・・どなたかお試しあれ、ありえないかなー・・・・やつら、バーボンだろうしなー・・・)
いずれにせよ、この「麦芽入りの牛乳」はなかなか強烈な飲み物らしく、
(歌い手であるこの歌の主人公の語るところによると)(次のスタンザの冒頭で)




Malted milk, malted milk,
Keep rushin' to my head

麦芽入りのミルク、麦芽入りのミルク
ずっとおれの頭を攻めつける




と報告されているとおりだ。
そして、この(歌の主人公の)頭への(ミルクの)作用は歌の最終のスタンザまでずっと後を引いている。

ところで(それとはべつにわたしが気になったのは)
ミルクに混入されているのが単なる麦芽粉ににせよ、麦芽粒にせよ
あるいはまたシングル・モルトのウィスキーであるにせよ、
ミルクに混ぜれば、たちまちのうちに白いミルクは褐色に濁っていく。
というその一点だ・・・・・・。
見ろッ(って(麦芽飲料のNestleの)「ミロ」と洒落てるんですけどもー(モーモーって牛さんになって洒落てるんですけどもー(「more, more」(もっと、もっと)って、もう一杯アンコールって(アルコールって洒落てるんですけどもー)っていつまでも飲みながら、聴きながら思うのは)
やはり、この歌のミルクが(乳白色の)「白いミルク」のままでは歌われていないそこのところが(どうにも)(わたくしの)気にかかってくるところです。
個人的には(いつも)そのひっかかりがロバート・ジョンソンの(CDに複製、記録された1937年の)ギター演奏とともに大いにこの曲の魅力となっているのですが、
そんなことでさっき思いついたのが、「ブルースにおける色彩学」という評論のタイトルだ(「あるいはブルースは黒いのか、青いのか?」というサブタイトルもついてきました・・・)
言うまでもなく、ブルースには「黒」black や「青」blue はもちろん、ほかにも「赤」red という色もよく出て来る色になるだろうか・・・・。
(と、そんな話を枕にふっておいて)(本題への導入として)(実は)あまり「白」は出て来ないという事実を(いきなり、そこに)置いてみる・・・・。
「ブルース」(というもの)そのものの(ある不定形の)全体にとって「白」は(歴史的にも現実的にも)大きな(影響力や支配力といった)強い力を有しているはずなのだが、(にもかかわらず)「白」という語が出て来るブルースの歌は(わたしには)すぐには思い浮かばない・・・・。
つまり、ブルースにとっては「白」大いなるこの歌でも「牛乳」というひとつの形象として示されたうえで(しかも)「麦芽」を混ぜることで「白」はそのままのかたちでは提示されない・・・・。
このことから(わたしが飛躍的に(このお話を進めるために重宝とすべく)(ひとつ)立ててみることができるのが)「ブルースにおいて「白」という色は「影」の領域に追いやられている」という(その事実であり、また、それに基づくさまざまな)仮説を導き出すことができるだろう・・・・。

なーんてことを考えてたのですが、どうっすか? 
ほんの触りだけだけですけど、面白そうでしょー!?
(って「show」の洒落なんですけどー、<これ、エンのタメ、念の為、エンタメ、ザッツ・エンターテインメント、まあ、ただの読み物、読み物・・・・)

*1:(いわゆる「麦芽乳」とは違う)単にミルクに麦芽粉を混ぜてよくシェークしたもの。

*2:「fix」という語は通常(!?)(麻薬を)注射するという意味で使われる語でドリンクをつくるのにはまず使われることのない言葉ですよねー。