Long Black Veil

Words & Music by Marijohn Wilkin and Danny Dill.
(1968年発表) *1







(原題直訳 「長い黒いベール」)








From The Band album, "Music From Big Pink". *2

名作アルバム度 ☆☆☆☆☆



「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」 (ザ・バンド









Also on the Johnny Cash live album, "Johnny Cash At Folsom Prison". *3

名作アルバム度 ☆☆☆☆☆


「アット・フォルサム・プリズン」 (ジョニー・キャッシュ






Also on the Joan Baez live album, "Joan Baez in Concert, Part 2". *4

名作アルバム度 ☆☆☆☆☆



ジョーン・バエズ*5






And you can listen to the original track on the Lefty Frizzell compilation album,
"That's the Way Life Goes: The Hit Songs 1950-1975".

推奨アルバム度 ☆☆☆



レフティ・フリッツェル)





Also on New Riders Of The Purple Sage album, "Gypsy Cowboy".

名作アルバム度 ☆☆



(ニュー・ライダーズ・オヴ・ザ・パープル・セージ)





And on the Marianne Faithfull album, "Rich Kid Blues".

名作アルバム度 ☆ *6



(マリアンヌ・フェイスフル)







名曲度 ☆☆☆






邦題「ロング・ブラック・ベール」 (ザ・バンド









Ten years ago on a cool dark night
10年まえのこと、冷たく暗いある晩に
There was someone killed 'neath the town hall light
市庁舎の明かりの下で 誰かが殺された
There were few at the scene
現場には ごく僅かな人間しかいなかったが
And they all did agree
その彼らの全員が認めたのだ
That the man who ran looked a lot like me
逃げていったその男が、このわたしにとてもよく似ていたと




The judge said
判事が言った
"Son, what is your alibi?
「若者よ、きみにはどんなアリバイがあるのかね?
If you were somewhere else
「もし、きみがどこかほかの場所にいたのであれば
Then you won't have to die"
「そのときは、きみは死なずにすみますよ」と
I spoke not a word although it meant my life
それはわたしの命にかかわることではあったが
わたしは、一言も話さずにいた
I had been in the arms of my best friend's wife
わたしが いたのは、
自分の親友の その妻の腕の中だったのだ




She walks these hills in a long black veil
長い黒いベールをまとった彼女が、あたりの丘を歩いている
She visits my grave where the night winds wail
彼女は、夜風が咽ぶこのわたし墓を訪ねて来たのだ




Nobody knows,
誰ひとりとして知らないことなのだ
No, and nobody sees
そうなのだ、そして、誰も見てはいないのだ
Nobody knows but me
誰ひとりとして知らぬこと、
このわたし以外には




The scaffold was high
絞首台は高かった
And the eternity neared
そして、永遠の国は近かった
She stood in the crowd
彼女は群衆の中に立っていた
And shed not a tear
そして一粒たりとも、涙は見せなかった
But sometimes at night
しかし、ときどき、夜になって
When the cold wind moans
冷たい風が唸りを上げるとき
In a long black veil
長く黒いベール姿で
She cries over my bones
わたしの骨の上で泣いている彼女がいる







She walks these hills in a long black veil
長い黒いベールをまとって、あたりの丘を歩く彼女、
She visits my grave where the night winds wail
夜風が咽ぶ わたしの墓を 彼女は訪ねて来るのだった




Nobody knows,
誰ひとりとして知る者はない
No, and nobody sees
そうなのだ、
そして、誰ひとり、見る者はない
Nobody knows but me
このわたし以外には
誰も知らないことなのだ








Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞 092909










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成瀬巳喜男監督の映画「女の中にいる他人*7 という古い映画を見たときに
思い出したのが、ザ・バンドが歌うきょうのこの歌だった。
映画では、殺人者は自分の夫で、殺されたのは知人の妻で夫の愛人、
夫が犯人だと知った妻は、そのとき・・・・・・
というサスペンスを扱った成瀬巳喜男ならではの女性映画の名作だが、
原作はエドワード・アタイアというイギリスのミステリー作家の小説「The Thin Line」。



女のヒトはこういうことをするんだという驚き(!)
そして、それはとっても女だ very much woman という納得(?)、思い・・・・・。
もちろん、男だって(切羽つまれば平気で)するのかもしれないが、、
男がすれば、それは糾弾さるべき卑怯な真似、所作ということになる
(むしろ、男は(この歌のように)黙って自分がすべてを背負おうとするものだ)
というアタマ(=観念)がわたしたちの意識には
どうしても根強く(フェミニストたちの言う)「歴史的」なかたちで(イデオロギーとして)形成されてしまっているわけだが、
より「力」があるものとしての(強者としての)「男」性によって、
歴史的に「弱者」という位置(=立場)が有形無形で「制=度」化され、*8
(そのようにして二重に それが「自然」なものとして)
「弱」者として「被=護」者として作られてきた「女」性・・・・・


しかし、(その性別にかかわりなく)
弱者、弱い人間のすることには、ときに醜いが泥沼のように深いものがある。
測り知れないものが・・・・・。 *9





※(ということとも関連して(?))

一昨日のクラプトンの分に(短いものですが)ダベリを追加しておきました。
ここんちのそーゆーのも読んでるゾって方はどうぞ >>>>

・「愛の経験」 (デレク&ザ・ドミノズ)

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20070719








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【Years Ago−Go!】





(1年前のエントリーを Playback♪)





☆アルバム「ヴィレッジ・グリーン」(キンクス)全曲訳(8)☆





・「アニマル・ファーム」 (キンクス

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060721






(2年前のエントリーも Playback♪






・「サマータイム・ブルース」 (エディ・コクラン

http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20050721

*1:オリジナルはレフティ・フリッツェルの1959年のヒット曲(全米カントリー・チャートの6位)で、以来、今日に至るまで多くのアーチストたちによって繰り返しレコーディングされている。トラディショナル・ソングのような味わいを持ったきょうのこの歌は、とくにアメリカのフォーク・シーンでは早くからスタンダード・ナンバーのようにして定番のレパートリーとして広く歌い継がれてきた。

*2:このアルバムからは、すでに「アイ・シャルビ・リリースト」http://d.hatena.ne.jp/komasafarina/20060117 がここで紹介されていますので、よろしければ、アルバムのお伴にどうぞ♪

*3:ジョニー・キャッシュは(タイトルどおり)実際の監獄内で行われた囚人慰問のライヴを収録した(イギリスのアルバム・チャートでも1位になった)この名盤(全米チャート13位、全米カントリー・チャート1位、)のほかにも、スタジオ録音によるきょうのこの歌を1965年発表のアルバム「Orange Blossom Special」でも聴かせている。なお、このアルバムでは「黒く長いベール」という邦題がついている。

*4:バエズは、ほかにもスタジオ録音のこの歌を1970年発表の彼女のアルバム「One Day At A Time」で聴かせている。

*5:日本ではこの「In Concert Part 2」と前年の1962年に発表された「In Concert」の2作をひとつのパッケージにしたものが「ジョーン・バエズ・イン・コンサート」というタイトルでCDセットととしてリリースされたことがあるようだが、もともとこの2作はまったくべつのツアーからのライヴ・アルバムであり、しかも、日本盤のそのCDセットでは「パート1」から2曲(その1曲はアルバムのラストを飾る7分余にわたる「」)が、そして「パート2」からは3曲が(「パート2」のモノクロ盤と比べると5曲が)カットがされたかたちのラインナップになっているので、けっしてお得なわけではないので(そのあたり、こだわる方は)ご用心。なお、そのアルバムでは「黒いベール」という邦題がついている。

*6:選曲は楽しめる。ディラン、ジョージ・ハリスン、キャット・スティーヴンス、ジェームズ・テイラーなど。しかし、どうにも聴こえてしまうものが見えすいていて(聞こえ透いていて(!))、唾棄しめたくなるソ。(1971年にレコーディングされながら、長くオクラ入りになっていたのは、マリアンヌさんの薬物中毒その他による一身上の都合ばかりでなく、なるほど、アルバムの出来自体に問題があったのだと思える作品。)

*7:小林桂樹新珠三千代 主演、1966年、東宝映画。

*8:必ずしも、それは「弱者」としてばかりでなく、ついつい見過ごしてしまいがちなのは(強者の側から)(子を産むナド)「価値あるもの(!)」として "狙われる(べき)" 存在(を厳重に「管=理」しておこう?)ということもあったのだろう。

*9:その大いなるものをして、アナタはそれを何と名づけますか?