Summer Holiday

Words & Music by B. Welch and B. Bennett.
(1963年発表)


(原題直訳 「夏休み」)



Performed by Cliff Richard.


You can listen to Cliff Richard album, "Summer Holiday".
名作アルバム度 ☆☆

クリフ・リチャード




歌詞は、次のURLから
http://www.lyricsondemand.com/c/cliffrichardlyrics/summerholidaylyrics.html



名曲度 ☆☆☆



邦題 「サマー・ホリデー」 (クリフ・リチャード







We're all going on a summer holiday
ぼくらはみんなで夏の休暇に出かけるところだ
No more working for a week or two
一週間か二週間は、もう仕事もなしだ
Fun and laughter on our summer holiday
楽しんで笑って、ぼくらの夏休み
No more worries for me and you
ぼくにもきみにも心の悩みは何もなし
For a week or two
一週間か二週間の間はね




We're going where the sun shines brightly
ぼくらが行くのは、太陽がギラギラと輝くところ
We're going where the sea is blue
青い海があるところへ、ぼくらは行くんだ
We've all seen it in the movies
そういうのは、ぼくらはみんな映画で見てる
Now let's see if it's true
さあ、そいつが本当かどうか見てみようぜ




Everybody has a summer holiday
誰でもみんな、夏休みがある
Doing things they always wanted to
ずっとやりたいと思ってたことをやってみるのさ
So we're going on a summer holiday
それで、ぼくらは夏休みにでかけるんだ
To make our dreams come true
ぼくらの夢を叶えるためにね
For me and you
ぼくときみにとっての
For me and you
ぼくときみのために





Translated into Japanese tonight by komasafarina.訳詞





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きのうのエディ・コクランの「サマータイム・ブルース」と思わず比べてみたくなる。
はるかに幸せな雰囲気が漂っている。
当然のことながら、サウンドもメロディもヴォーカルも全然違う。
かたやカリフォルニア、USA、かたやイギリス、ロンドン、ロスのエディ・コクランとロンドンのクリフ・リチャード
時代は1958年と1963年。

共通するのは主人公の境遇だ、若い勤労大衆のひとりであること、それもおそらく非熟練の職種だろう。



エディ・コクランの「サマー・タイム・ブルース」の歌い手(=主人公)は、いわば一匹狼、二週間の夏の休暇を取るのもなかなかままならず、代議士や国連に直談判に乗り込むこともいとわない、いささかパラノイアックなところも見受けられる。




Well, I'm gonna take two weeks,
Gonna have a fine vacation,
I'm gonna take my problem
To the United Nations.
Well, I called my congress man


そうよ、おれは2週間はとるつもりなんだ
いかした休暇を過ごそうってわけよ
おれのこの問題を、おれは
国連に持ち込んでやるつもりで
んで、おれんとこの代議士に電話したんだ




これに対して、きょうのクリフ・リチャードの歌の主人公は、素直で従順なよき勤労者といったイメージで歌われる。サウンドもメロディーも受け容れやすい心地よいものだ。




We're all going on a summer holiday
No more working for a week or two
Fun and laughter on our summer holiday
No more worries for me and you
For a week or two


ぼくらはみんなで夏の休暇に出かけるところだ
一週間か二週間は、もう仕事もなしだ
楽しんで笑って、ぼくらの夏休み
ぼくにもきみにも心の悩みは何もなし
一週間か二週間の間はね



この歌の主人公には、ともに(あるいは同じ時期に)夏休みに出かける仲間たちがいる。一週間だったり、あるいは二週間だったりする夏のこの(有給)休暇はしっかりと強力な労働組合によって保障されている。それがこの時代のイギリス社会の大きな特徴だ。*1

*1:第二次大戦戦勝直後の総選挙で(戦争を勝利に導いたチャーチルの保守党が選挙に敗れ、)労働党政権が誕生する。基幹産業の大胆な完全国有化と「ゆりかごから墓場まで」と称された医療の無償化をはじめとするさまざまな福祉政策を実施、制度化し、以後、戦後のイギリスは、そうした社会主義福祉国家体制のもとでの労働党と保守党の二大政党制の国家となる。しかし、それは国力の衰退と社会の堕落を招き、やがて国家はそうした福祉社会を維持できなくなっていく。基幹産業の国有化と強大な産別労働組合の横暴。極端な話、働くよりも失業保険の給付を受けるほうが楽な暮らしができるようなそんな奇妙な失業と貧困の時代が到来するようになってしまうのだ・・・・、そして、そこに登場するのがマーガレット・サッチャー、「鉄の女」である。